小指ってなかなか動きにくい指ですよね?
日常生活であまり使う機会もないですし、私もサックスをやっていないとそうそう使う指でもないような気がします。
今日はこの「小指の動き」にフォーカスを当てたいと思います。特に今回は「右手の小指」の動きについてです。
サックスはそんなに頑張って小指を動かす必要ってないですよ。
レッスンをしているとよく耳にするフレーズ(曲の中ではなく生徒さんの口から)。
「小指の力が弱くてキーがしっかりと押せないんです!」
というお言葉。あとは
「小指がつりそうです!」
というようなのも。
特にピアノのご経験がある方からそのような言葉を聞くことが多いような気もします。私自身ピアノが多少は弾けますのであえて言わせてもらうと「サックスはそんなに頑張って小指を動かす必要ってないですよ」っていうことです。
この言い方では誤解を招きますね。
順を追って説明をしますのでどうかこの先の項目をお読みください。
多分大丈夫だと思うけど小指の先でキーを押さえようとしてませんか?
レッスンを真面目に受けている方であれば先生から「指の先の方で軽くキーを押さえてくださいね」とか「指を軽く曲げて指の腹で押さえてください」と言われたことはないでしょうか。
はい、それはとても良いキーの押さえ方です。
でも真面目な方ほど陥りやすいのが下の画像のような状態。
【これはツライ・・・例】
小指に注目して見てください。
小指も指の先で押さえてしまっています。
これははっきり言って辛いです。つりそうになります。
【こうすりゃラクだよね・・・な例】
断っておきますがこの低音のドとレ♯のテーブルキーは小指の先で押す必要はありません。
このキーに関してはこのように小指でベチャーっと押さえれば良いです。
そうすればそんなにキーを押すのに力も必要なし!他の指たちも楽そうです。
はい!これで解決!!
・・・ん?何ですか?
そもそも私の手が小さいので小指が届かないんです!!
えーと、なになに。
「そもそも私の手が小さいので小指が届かない」と。
なるほど、そういう事もあるかもしれませんね。特に小さいお子さんはそうですね。
もしかしたらあなたの手がとてつもなく小さくて、どういうふうに工夫しても小指がキーに届かないということであれば、ごめんなさい。この件に関しては私にお手伝いできることはありません。
アルトサックスをソプラノやソプラニーノに変えて練習していただくか、ご自身の体の成長を待つか、何か別のサックス以外の楽器に変えていただくしかないかもしれません。
ただ、標準的な手の大きさであるならば以下の項目を読んでみてください。
【手首が上がってるんじゃない?】
標準的な手の大きさにも関わらず「手が小さくて小指が届かない」と感じる人はつまりこういう状態になっています。
手首が上がっていて指全体のポジションが上にある為、小指を遠くにのばさなくてはいけないという状態ですね。
確かにピアノを小さい頃習っていて、手が小さかった人はオクターブを同時に弾かなくてはならないという時に「もっと手を開いて!!」と言われたのかもしれません。
でもサックスはそんなに頑張らなくても大丈夫です。
【手首を下げればいいじゃん】
手首を下げればこの通り。
むしろ小指の長さが余るくらいですよ。
そもそも小指がキーから遠い位置にあるのに無理やり力技でキーに届かせようとしているとキーが遠く感じるんですね。
赤ちゃん指の小指ちゃんにそんなに頑張ってもらう必要はありません。もっと根元にあるより頑丈な手首が動けばいいだけの話です。
はい、まだ何か問題が起きてそうな顔をしてますね。
手首がどう頑張っても下げられません・・・(涙)
はい。どうやっても手首が下げられないということですね。
となると、問題はもっと上の部分にあります。ストラップです。
ストラップの高さはちょうどいいところに来ていますか?
どんなストラップを使っていようと、自分がまっすぐ立った状態で、口のところにマウスピースがちょうどくる高さにストラップを合わせなくてはならないですよ。
ストラップの高さを調節している時に右手のサムフック(親指のフックね)で楽器を持ち上げてる感覚がある場合はアウトです。
右手の親指はただ添えているだけの状態にならないといけません。
(ただしこれは立奏で楽器を体に当てて支えている場合。それ以外の場合はまたちょっと変わります。それについてはまた後日。ただしどんな場合も持ち上げてはいけません。)
右手の親指で楽器を持ち上げている限り手首は自由に動きません。
【親指で楽器を支えていて小指のキーが遠く感じる状態】
おそらく楽器を親指で持ち上げている人はサムフックに対して親指がこのように当たっているはずです。
このまま小指を低音のドのキーに伸ばそうとすると小指をうんと伸ばさなくてはなりません(上の図「手首が上がってるんじゃない?」の状態)。
なので親指で楽器を支えてホールドしてしまっては小指に負担がかかりすぎるという事なんです。
【インサイドエッジで踏み切って小指がジャンプ!!】
この画像のように小指を低音のドのキーに楽に届かそうとするのなら親指はこのようにサムフックの向かって左側のヘリに当たっていなければならないはずです(今ここでは仮にこのヘリをインサイドエッジと呼ぶことにします。正式名称でもなんでもないのでよそで使わないように)。
他のレミファのキーを押すときもこのインサイドエッジのポジションでいいと思います。なので普段から手首は下がっているということなんですね。
ちなみに普段はこのインサイドエッジに親指があればいいと思いますが、他のテーブルキーを使う時は変わってくると思います。
右手のテーブルキーは下からTa、Tc、(high)E keyと言うそうですが、呼称は万国共通なものはありません。
Ta(Side Bb)とTc(真ん中のドのかえ指)を押さえるときの親指はサムフックに対してほぼフラット(たいら)に接していればいいように思います。
逆に(high)E key(一番上)を使用するときはアウトサイドエッジに触れることになると思います。
ただこれはサムフックの角度を調整したりしていると変わるようにも思いますのでハッキリとしたことは言えません。
2015.05.11追記 右手親指が下の写真のように動きます
右手の親指は他の指がどのキーを押さえるかによってサムフックに当たる角度が変化します。
その当たる角度をここではインサイド・フラット・アウトサイドとしています。
まとめ:赤ちゃんを育てるにはまず社会基盤を整備し、親が子育てをしながら安心して働けるようにしましょう。
ということで小指が思うように動かない原因を探っていきましたがチェックするべき点をまとめると
-
ストラップの高さを適切に調節できているか(社会基盤の整備)
-
手首が柔軟に動いているか(企業の子育てに対する柔軟な対応)
- 親指がフックの下で状況に応じて働けているか(子育てと仕事の両立の支援)
・・・というまるで我が国の少子化対策みたいな話になってしまいましたが、以上三点が主な点です。
やはり小指は弱い赤ちゃん指ですのでそれに無理に働いてもらおうとするのは限界があります。
それよりもまずは体のより強い部分がしっかりと動いているかどうかをチェックするべきだということですね。
この記事が皆さんの楽しいサックスライフのお手伝いとなれば幸いです。ここまでお読みくださいましてどうもありがとうございました。
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