音程(1)では「度」という単位の概念と完全音程について学びました。
今回の音程(2)においては長音程・短音程について学びます。
※以下、音部記号は全てト音記号とする。
長音程
音程(1)で学習したことのおさらいになりますが、音程は大きく2つの系列に分類されます。
完全音程系列・・・1度、4度、5度、8度
長・短音程系列・・・2度、3度、6度、7度
長2度、短2度
変化記号(♯・♭)を用いないという条件においての全ての2度音程は以下の通りです。
この中で2つ異なる種類の音程があります。
一つ目は
【ミーファ】
ピアノの鍵盤で言うと間に黒鍵が入りません。
ミとファの関係は半音です。
もう一つが
【シード】
こちらも間に黒鍵が入りません。
シとドの関係は半音です。
つまり、2度音程の中には
全音になっているものと半音になっているものの二種類が存在しています。
全音の関係になっているものを 長2度
半音の関係になっているものを 短2度
といいます。
以下がすべてのパターンです。
長3度、短3度
変化記号(♯・♭)を用いないという条件においての全ての3度音程は以下の通りです。
これらの音程は二種類に分類することができます。
【全音2つで構成されている音程】
ドーミ
ドーレ・レーミの全音2つ分(長2度2つ分)
ファーラ
ファーソ・ソーラの全音2つ分
ソーシ
ソーラ・ラーシの全音2つ分
この3つの3度音程を長3度といいます。
【全音1つ半音1つで構成されている音程】
レーファ
レーミ(全音・長2度)ミーファ(半音・短2度)の構成
ミーソ
ミーファ(半音・短2度)ファーソ(全音・長2度)の構成
ラード
ラーシ(全音・長2度)シード(半音・短2度)の構成
シーレ
シード(半音・短2度)ドーレ(全音・長2度)の構成
この4つの3度音程を短3度といいます。
長3度と短3度を見分ける方法としては半音(短2度)が含まれているかどうかを分析することです。
なので、この時点ではミーファとシードの音程に気をつければよいということになります。
ここで問題を解いてみましょう。
問題3)次の2音間の音程を答えよ
長6度、短6度
変化記号(♯・♭)を用いないという条件においての全ての6度音程は以下の通りです。
やはりここでも二種類の6度音程が存在します。
【半音が1つだけ含まれる6度音程】
この4つの音の組み合わせの場合、半音が1つだけ含まれています。
このように全音4つ、半音1つで構成されている6度音程を長6度といいます。
【半音が2つ含まれる6度音程】
この3つの音の組み合わせの場合、半音が2つ含まれています。
このように全音3つ、半音2つで構成されている6度音程を短6度といいます。
以下、6度音程の全てのパターンです。
【6度音程の判別方法~転回音程を用いた方法】
6度音程のように音と音の距離が離れている音程の場合、慣れないうちは判別に時間がかかってしまいます。
そこで転回音程という考え方を利用することで判別のスピードを早くすることができます。
長6度の下部の音(ここでいうとドの音)をオクターブ上げると短3度が出来上がります。
このように2音の片方をオクターブ移動させて出来上がる音程を転回音程といいます。
元の音程と転回音程の関係は次のようになります。
長6度↔短3度
短6度↔長3度
長・短が逆になる関係ですので、これを理解していれば離れた音程の判別の際に役に立ちます。
転回音程に関しては「音程(3)」で詳述します。
長7度、短7度
変化記号(♯・♭)を用いないという条件においての全ての7度音程は以下の通りです。
【半音が1つ含まれる7度音程】
この2つの7度音程には半音が1つだけ含まれています。
このように全音が5つ、半音が1つで構成されている7度音程を長7度といいます。
【半音が2つ含まれる7度音程】
この5つの7度音程には半音が2つ含まれています。
このように全音が4つ、半音が2つで構成されている7度音程を短7度といいます。
【7度音程の判別方法~転回音程を用いた方法】
6度と同様に7度でも転回音程を用いると判別が容易になります。
7度においても転回音程の関係は同様です。
長7度↔短2度
短7度↔長2度
それではここで問題を解いてみましょう。
問題4)次の2音間の音程を答えよ
完全音程・長・短音程 総合問題
次の2音間の音程を答えよ。
総合問題 解答
長内阿由多
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