あなたの、「サックスが上手になりたい」「いい音で吹けるようになりたい」という願いを叶えるたった一つの方法を今日は教えます。
何年間も毎日ロングトーンをすることです。以上。
身も蓋もないですが、はっきり言ってこれしかないです。
逆に言えば、これさえやっておけば絶対上手になるんですけど、そんな単純なことがみんな出来ないからサックスがなかなか上手になりません。そして「サックスは難しい」と言います。
単調なことを継続するって本当に難しいです。
今日は、そんな単調で退屈な作業になりがちなロングトーンを飽きずに継続するためのバリエーションを5つご紹介していきます。
アイディア1 音程を合わせる
ただ、漠然と音をのばしていても、なんの目標もないことをやりつづけるのはつらくなってきます。
人間って基本的に集中力が全然ない生き物だと思った方がいいです。
だって、なにも変化のないテレビの画面を30分見続けることができるでしょうか?
多分、1分も見ていたら立ち上がって何かほかのことをやりたくなってくると思います。
ロングトーンもなんの目標もなく、ただのばすという作業は本当にただの苦行にしかすぎません。
なのでロングトーンをするときにチューナーなどで基準の音を鳴らして、それにぴったり合わせるように練習してみてはどうでしょうか?
正しい音程で音を鳴らす練習にもなりますし、ロングトーンという単調な練習に一つの目標ができます。
全ての音域のすべての音を正しい音程で音の最初から最後まで吹き続けるというのは意外と難しいんですよ。
アイディア2 のばす拍数を決める
ゴールが見えない作業は苦痛でしかありません。
ロングトーンは毎日かならずやる歯磨きのようなものだと思って、拍数とやる音を決めてルーティーンにしてしまいましょう。
私の場合は今は16拍とのばす拍数を決めていて、それを全音域の全部の音で行っています。
全部やると大体15分くらいでしょうか。これだけは最低限毎日やると決めています。
ロングトーンは今日1時間やったからといってすぐ結果の出るものではありません。今日12時間ロングトーンやってもその後1週間ロングトーンをやらなかったらまた元の状態にもどってしまいます。
それだったら毎日10分でも15分でもやり続けた方がよいです(それが多くの人はできないのですが)
なので、最低限これだけやればOKというゴールを設定しやすくするためにも拍数を決めてやると良いと思います。
アイディア3 強弱をつける
実際の曲の中には強く吹く部分と弱く吹く部分が出てきます。そのコントロールができるようになる練習にもなりますので、ロングトーンをするときに強弱をつけて練習するのは良い練習になります。
具体的には以下のような形で練習します。
ピアニッシモからフォルテッシモまでクレッシェンドとデクレッシェンドでつなげてロングトーンをします。
このとき、ピアニッシモは自分の出来る限りの小さい音、フォルテッシモは自分の出来る限りの大きい音を目指します。
また、小さい音の時に音程が上ずらないように、大きい音の時には逆にぶら下がらないように吹く必要があります。
音程が乱れてしまうとこの練習の意味があまりなくなってしまいますので注意します。
アイディア4 ハモりながらロングトーンをする
コードのルートの音をチューナーなどで鳴らしておいて、それに綺麗にハモりながらロングトーンをすると、コードの勉強にもなって一石二鳥です。
メジャートライアドでハモる場合
メジャートライアドでハーモニーを作りながらロングトーンをする練習は具体的には以下のような譜面になります。
オクターブ下で持続している音に対してハーモニーを作っていくということになりますので、それぞれ完全1度、長3度、完全5度で和声を作っていきます(この譜例だと本当は複音程になりますが、そこは省略)。
この時気を付けたいのは長三度のところでチューナーの0のところに合わせて練習しちゃうとキレイにハモりません。そこで少し音程を下げて吹くとバチっとはまるところがあります。
どれくらい下げるかというと-13.69セントです。
これを純正律といい、詳しく説明するのは避けますが、きれいなハーモニーを作ろうとしたときに必要不可欠なものですので、ぜひ練習してみてください。
ちなみにチューナーにも一応-13.69セントの部分に目印がついています。
この三角のところに合わせれば良いわけです。
最終的には耳で判断できるようになってほしいですが、最初のうちはチューナーを頼りに練習すると良いと思います。
マイナートライアドでハモる場合
マイナートライアドでハモる場合はメジャーの逆になります。
今度は逆に短三度の音で+15.64セントほど高く吹きます。
サックスの場合どちらかというと音程が上ずることの方が多いのでこれは割と容易に合わせられると思います。
ということで今度はこちらの三角に合わせることになります。
やはり自分の耳で判断できるようになると良いですね。
アイディア5 一緒にロングトーンをする仲間を作る
ロングトーンははっきり言って個人の練習なので誰かと一緒にやる必要なんてまったくないんですが、それでも誰かと一緒にやった方がはるかに継続できますし、上手になります。
私も中学と高校の時の吹奏楽部で延々とみんなでロングトーンをやらされました。
今思えば、あれはみんなでやってたから出来たんだと思います。
冒頭にも述べましたが、人間は弱い生き物なので単調なことを持続してやり続けるっていうことはよっぽどの理由がない限りムリだと思った方がいいです。
でも、そんな退屈な作業でも仲間がいると頑張れるもんなんですよ。
特に、アイディア4のハモりながらのロングトーンなんかを一緒にやるときれいにハモれるだけですごく楽しい時間になります。
なので、究極の上達方法は一緒に練習できる仲間を作ることだと思います。