こんにちは、長内(オサナイ)です。
昨日私のYouTubeチャンネルにいそしぎ(The Shadow Of Your Smile)を演奏した動画を投稿させていただきました。
今回使用した譜面とカラオケ音源は全音楽譜出版社より出版されている「 アルトサックスで奏でるシネマ in ジャズ」です。
今日はこの譜面のバージョンで解説していきます。
この記事の対象の方
まず今回のこの記事の対象の方ですが
- サックスを始めて2年以上
- アルトサックスをお持ちの方
- ジャズ的な奏法に興味がある
- ビブラートの練習方法に興味がある
- アドリブはできないが譜面になってるものでジャズを演奏してみたい
ざっくり言うとこんな感じです。
この記事の執筆者について
本題に入る前に簡単に私の自己紹介ですが、私は中学生の時にサックスを始めて、その後愛知県立芸術大学という大学でクラシックサックスを専門的に学びました。
卒業後はヤマハの大人向けのポピュラーミュージックスクールで講師として仕事をし、現在は私個人の音楽教室でサックスの指導をしています。
では本題に入っていきます。
いそしぎを演奏する上での3つのポイント
今日の記事では
- サブトーンとは?サブトーンの付け方
- ビブラートの練習方法
- シ♭の運指の使い分け
この3点について解説しています。
1.サブトーンとは?サブトーンの付け方
いそしぎのようなボサノバ系の楽曲の場合サブトーンを使用すると非常に雰囲気が出ます。
サブトーンとは何かと言うと、主に低音域で見られる息の音がたくさん混じっている音のことです。これをサブトーンといいます。
私の演奏も多少は息の音が入っていますが、もっとわかりやすいのがスタン・ゲッツの演奏です。
スタン・ゲッツという人はアントニオ・カルロス・ジョビンらと共に1960年代にボサノバというジャンル確立していったボサノバの第一人者です。
サックスでボサノバを演奏する際はこの方の演奏がお手本となりますので、真似したいところですが、スタンゲッツの演奏で特徴的なのがこのサブトーンですね。
〇サブトーンはどのようにやれば良いのか。
さて本題です。サブトーンの付け方ですが、実は非常に簡単でして、力をまったく入れずにマウスピースをくわえて、低音域を吹けばサブトーンになります。
簡単でしょ?
それ以上の説明がほぼほぼないんですが、一点気を付けていただきたいのが、この状態で吹くと息を支えている部分がなくなってしまうので、あっという間に息がなくなってしまうというところです。これでは演奏できません。
〇お腹で息を支えましょう。
皆さん、サックスを演奏する上で「腹式呼吸」というのを聞いたことはありますでしょうか?
- 息を吸うときにお腹を膨らませて
- 吐くときにお腹をへこませる(もしくはへこませない)
というやつですね。
実は私自身はその一般的に言う腹式呼吸というのはやっていません。
中学生くらいのころの私はサックスの教本などに載っている腹式呼吸を一生懸命練習していましたし、部活でも腹式呼吸の練習を延々とさせられました。
ですが、現在はそれは(多分)間違った演奏方法ではないかなと考えています。
ではどのようにしているかというと、お腹をむしろまったく動かさないようにして現在は演奏しています。
このことの細かい解説は長くなってしまいますのでまたの機会にさせていただきますが、とにかくサブトーンをやる上で息の支えというのものは必要不可欠ですので、お腹でしっかりと息を支えるよう心がけましょう。
2.ビブラートの練習方法
上の動画で紹介させていただいたスタン・ゲッツですが、サブトーンと共にビブラートがしっかりとかかっています。
ビブラートの練習方法についても解説させていただきます。
〇まずは音程を下げる練習
まずマウスピースとネックだけの状態で音を鳴らします。
そうすると大体の方がピアノで言うところのラ♭の音が鳴ると思います。
そこから先ほどのサブトーンの要領で力を入れずに思いっきり息を入れてみてください。
そうすると音程が多少なりとも下がりませんでしたか?
チューナーなどを見ながらやってみるとわかりやすいかもしれません。
まずはこの音程を下げるところからスタートです。
〇ここからビブラートの波を作っていく練習です。
まず理解しておいてほしいのがビブラートの波は本来の音程より上の音程にいくことがないということです。
この図のように基準の音があったらその音程より下に下がってまた元の音程にもどるという波の形を作ります。
このことは他の奏法にも関わってくる部分ですのでしっかりと理解しておいてください。
さて、本題の波を作る練習ですが、メトロノームを必ず使用して練習します。テンポは4分音符=72のテンポに設定します
まずこの動画のように四分音符の単位で大きく音を下げる練習をしてみてください。
ここでのポイントは滑らかに下げていき滑らかに元の音に戻っていくというところです。
滑らかに音程を動かすことができるようになったらそれを4分音符→8分音符→3連符→16分音符→3連符で1往復→16分音符で1往復というように早くしていきます。
実際どのようにやるかは以下の動画をご覧ください。
改めて注意していただきたいのは、この練習は必ずメトロノームを使うということです。
ビブラートを曲の中で使用する際は曲のテンポと無関係に入れることはありません。というか、おそらくテンポを無視して入れようとすると曲のリズムがぐちゃぐちゃになってしまうでしょう。
なのでこの段階でしっかりとリズムを意識して練習するよう心がけてください。
3.シ♭の運指の使い分け
もうすでに2年以上サックスを演奏している方には当然のことかもしれませんが、シ♭の指使いが複数あるのはご存知でしょうか。
〇Bisキーを使用した指使い
左手人差し指で二つのキーを同時に押さえます。(画像ではわかりやすくするためにあえて人差し指以外の指を大きく上げています。)
〇サイドB♭を使用した指使い
左手はラの指、右手はテーブルキーの一番下を押さえます
〇トリルキー
左手はシの指、右手は人差し指、中指、薬指のキーのいずれかを押さえます。
優先順位としてはBis→サイドB♭→トリルキーとなります。BisでやりにくいときはサイドB♭、サイドB♭でもやりにくいときはトリルキーという順番です。
例えばこの曲で言うと
〇Eの二段目の4小節目・・・Bisキー
ここは私だったらBisキーでやってしまいます。この部分はBisキーをあらかじめ押さえておいてシの♭に入ればなにも考えずに済むからですね。
ただ、人によってはサイドB♭でやるかもしれません。
〇Eの二段目の1小節目・・・サイドB♭
この部分ではラ#の次にシ♮が控えてますので、Bisキーでやると指を滑らせる必要があるためこの場合はサイドB♭で対応します。
トリルキーはこの曲では出番がありません。
「トリル」という名前の通りシ→ラ#→シというような動きを高速で行う必要があるときに使用するキーですのであまり使用することはないかと思います。
以上が「いそしぎ」をアルトサックスで演奏する際のポイントでした。
練習をする際に参考になれば幸いです。
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レッスンの詳細についてはこちら
演奏に使用しているセッティング
マウスピース
H.Selmer SUPER SESSION アルトサックス D
リガチャー
リード
楽器
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ストラップ
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