「サックスを最近始めました!初心者でも演奏しやすくていい感じの曲ってありますか?練習方法も教えてほしいです!」
という方は「虹の彼方へ」を練習してみるのはいかがでしょうか?
1939年のミュージカル映画『オズの魔法使』の劇中歌で、幅広い世代に愛されるとても有名な曲です。
昨日私、長内(オサナイ)がYouTubeに初心者向けのバージョンを演奏したものを投稿しました。
今回使用している楽譜とカラオケ音源はこちらです。
JAZZスタンダードをBASICとADVANCEDの2種類の難易度で練習することができます。初心者~中級者の方で少しジャズに興味のあるという方にオススメです。
今回はこの譜面のバージョンを題材に解説をしていきます。
本記事のテーマ
【完全初心者向け】虹の彼方へ(Over The Rainbow)をサックスで演奏する際の練習のポイント【オススメ曲】
✔本記事の対象の方
- サックスを持っている
- サックスを始めてから3か月~6か月くらい
- 楽器の組み立て方・構え方など基本的なところは教わった
- 2オクターブの指使いがわかっている
✔虹の彼方へ(Over The Rainbow)を吹けるようになるまでのステップ
- ①練習するときに必要なものを揃えよう
- ②楽器の組み立て方・構え方をもう一度おさらい
- ③楽譜の読み方を勉強しよう
- ④オクターブキーの使い方を知ろう
- ⑤サイドキーのレの指使いをマスターしよう
- ⑥タンギングを練習しよう
✔本記事の執筆者
私、長内(オサナイ)は中学生の時にサックスを始めて、その後愛知県立芸術大学という大学でクラシックサックスを専門的に学びました。
卒業後はヤマハの大人向けのポピュラーミュージックスクールで講師として仕事をし、現在は私個人の音楽教室でサックスの指導をしています。サックスをはじめてからかれこれ25年ほどです。
✔読者さんへの前置きメッセージ
本記事は「サックスを最近始めたばかりだけど、どんな曲を練習したら良いのかわからない。練習方法もわからない。」という方に向けて書いています。
この記事を読むことで初心者でも割とすぐに演奏できて、かつ「映える」曲を演奏できるようになるまでのステップを知ることが出来ます。
では早速見ていきましょう。
①練習するときに必要なものを揃えよう
この記事では楽器はすでにお持ちであると仮定してお話をすすめていきます。
もし楽器をまだお持ちでない方はこちらの記事をお読みください。
楽器のご購入
楽器以外にも練習するにあたっていくつか準備をしておいた方がいいものがあります。
✔チューナー&メトロノーム
練習するときには正しいリズムで練習することが必要不可欠です。
そして正しい音程で演奏することも良い音を出すことへの近道です。
なのでチューナーとメトロノームが一体型になったものを用意しておくと良いでしょう。
✔譜面台
テーブルに楽譜を置いて練習しても良いのですが、初心者のうちは座って演奏するとなかなか息も出しづらいですし、姿勢も悪くなりがちです。
譜面台を用意して立って練習をした方が良いでしょう。
譜面台は安いもので十分ですが、持ち運びをするということであればアルミ製のものだと軽くて良いと思います。
②楽器の組み立て方・構え方をもう一度おさらい
✔楽器の組み立て方
おそらくこの記事を読んでいる方は楽器の組み立て方は大丈夫ではないかと思いますがもう一度確認しておいた方が良いかと思います。
以前私がこんな記事を書きましたのでこちらでもう一度ご確認ください。
出来てる人ももう一度確認!サックスの組み立て方
✔楽器の構え方
ここもおそらく大丈夫ではないかと思いますが、いくつか確認してほしいポイントがあります。
- マウスピースをくわえる位置
- ストラップの高さ
- 姿勢
【マウスピースをくわえる位置】
初心者の方はマウスピースの先端から大体1センチメートルくらいのところに上の歯があたる位置でマウスピースをくわえましょう。
初心者は下の歯の上には唇をかぶせた方が良いと思います。
【ストラップの高さ】
これはかなり重要です。
サックスは基本的にすべてストラップで支えます。
ストラップの高さの基準は「自分はまっすぐ立ち、手で楽器を持ち上げなくてもちょうど口のところにマウスピースがくる」高さに合わせてください。
【姿勢】
これはストラップの高さにも影響されるのですが、サックスを演奏するときにどうしても猫背になりがちです。
鏡で自分の演奏姿勢をチェックしてみてください。
上記のようにストラップに演奏の姿勢はかなり影響されます。
また、楽器に付属しているストラップですと首が絞まった感じになり、非常に苦しく感じる場合も多いと思います。
そのような方にはこちらの「ブレステイキングストラップ」というストラップをオススメしています。
こちらの商品説明によると
「ブレステイキングストラップは首にかけるのではなく、肩にのせる構造となっています。そのため、楽器の重量が両肩、背中の3方向に分散され、楽器を軽く感じ、リラックスした姿勢で演奏ができます。また、フロントバーを採用することで、首の両サイドを締め付けることなく息を楽に吸うことができます。」
とのことです。
私もこのストラップを愛用しています。
サイズはMサイズを使用しています。
③楽譜の読み方を勉強しよう
それでは曲の練習に入っていきたいと思いますが、まずは楽譜の読み方です。
✔楽譜冒頭部分にある記号
曲の冒頭部分をまずは見ていただきたいのですが、こちらにいくつか記号が出てきています。
【テンポ記号】
四分音符が一分間に72回鳴る速さという意味。
メトロノームの数字をこれに合わせればOKです。
【ト音記号】
下から二番目の線の音が「ト(ソ)」の音という意味の記号。
サックスの場合はト音記号しか出てきませんのであまり考えなくて結構です。
【Cのマーク】
「c」のマークは拍子記号です。
4/4 (4分の4拍子:4分音符を1拍とし、4拍で1小節とする拍子)と同じ意味です。
読み方は「common time(コモン・タイム)」だそうですが、覚える必要はありません。
【長休符】
これは4小節間お休みですという意味です。曲のイントロの部分ですね。
【練習記号】
このAと書かれているものは練習するときの目印です。
途中から練習を始める時などに「Aからはじめましょう」と言ったりして使います。
✔音符
虹の彼方へに出てくる音符は全音符、二分音符、四分音符、八分音符の4種類のみです。
最初の4小節で全て出てきます。
それぞれ以下の長さです。
✔休符
お休みの記号です。この小節に全てまとまっています。
④オクターブキーの使い方を確認しよう
さて、この曲を演奏するにあたってオクターブキーというものの操作が必要になってきます。
オクターブキーというのは左手の親指にあるキーです。
中音域のレより高い音では常にこのキーを押します。
ここでオクターブキーの操作で2点気を付けていただきたいポイントがあります
・常にオクターブキーの上に親指を置いておく
オクターブキーを使用するときだけ、親指を滑らせて押さえてしまうとこの曲くらいのゆっくりの速さの時は良いですが、速い動きができなくなっていまいます。
今のうちから親指は常にオクターブキーに触れておくように癖をつけておきましょう。
・オクターブキーはできる限り指の先でおさえる
これについては以前に記事にしたものがありますのでそちらをお読みいただきたいのですが、上の画像のように指の先で押さえることができていないと他の動きにも支障が出てきます。
⑤サイドキーのレの指使いをマスターしよう
この曲の最高音はこの音です。
曲の中で一番盛り上がる部分に出てきますね。
ここの指使いはオクターブキー+一番手前のサイドキーです。
サイドキーというのはこの部分です。
3つの中でこの画像で星印がついているキーを押さえます。
そして押さえ方ですがこの画像のように手の腹に近い部分を当てます。
この時、親指とサイドキー以外の指はすべて離してください。
この曲ですとシ→レという動きで演奏することになりますが人差し指は押さえっぱなしにしてはいけません。
⑥タンギングを練習しよう
この曲の大部分がタンギングなしでも演奏出来るのですが、初心者の方はひとまず全ての音にタンギングをつけて練習した方が良いと思います。
タンギングのやり方
タンギングは「トゥ」という発音で舌をリードに当てればひとまずOKです。
舌があたる位置は画像のような感じで舌の先端ではなく少し内側です。
タンギングの細かい解説については以前こんな記事を書きましたのでよろしければお読みください。
タンギングは舌だけの問題じゃないよ。呼吸と舌の動きの関係。
ということで本日は以上となります。
今回は初心者向けの内容となりましたが、教材としている使用している「アルトサックス・パーフェクトブック
JAZZ Standard」には中級者向けのアレンジも収録されています。
明日はそちらを使って、中級者の方向けに解説をしたいと思います。
なにかご質問などがありましたらYouTubeチャンネルかTwitterにどうぞ。お答えできる内容でしたらお答えいたしますし、こちらのブログの記事でのご回答ということになるかもしれません。
初心者の方でも楽器の持ち方から丁寧に指導させていただいております。
またネットからの申し込みの場合は入会金が通常1万円のところを半額の5000円にさせていただいております。
1回のみの受講も可能ですのでぜひレッスンにお越しください。
レッスンの詳細についてはこちら
演奏に使用しているセッティング
マウスピース
H.Selmer SUPER SESSION アルトサックス D
リガチャー
リード
楽器
Yanagisawa A992(もう製造されていない型番です。)
現行機種はこちら
ストラップ
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