皆さんこんにちは。長内(オサナイ)です。
昨日は初心者向けのアレンジの「虹の彼方へ」の演奏のための練習方法について解説させていただきましたが、本日は中級者向けにアレンジされたもの解説をさせていただきます。よろしくお願いします。
まず昨日私がYouTubeに投稿した演奏をご確認いただいて、どれくらいの難易度のものなのかをご確認いただければと思います
使用している楽譜は昨日と同様「アルトサックス・パーフェクトブック JAZZ Standard」です。
今回使用している楽譜とカラオケ音源はこちらです。
JAZZスタンダードをBASICとADVANCEDの2種類の難易度で練習することができます。初心者~中級者の方で少しジャズに興味のあるという方にオススメです。
昨日はこの本のBASICというバージョンでしたが本日はADANCEDというバージョンでの解説です。
本記事のテーマ
【中級者向けアレンジ】虹の彼方へをサックスでカッコよく演奏するためのポイント
✔本記事の対象の方
- サックスをはじめて2年以上の方
- ジャズの演奏に興味があるが、アドリブは別にできなくてもいいという方
- 譜面が少し複雑になってくると指がまわらなくなるという方
以上のような方でしたらこの記事を読んで有益に感じていただけるのではないかなと思います。
✔虹の彼方へ(中級者向けアレンジ)の攻略法
- Cメジャースケールをどんな速さでも吹けるように練習する
- 音の跳躍のトレーニングをする
- ビブラートにチャレンジする
以上3つのポイントで解説していきたいと思います。
✔本記事の執筆者
私、長内(オサナイ)は中学生の時にサックスを始めて、その後愛知県立芸術大学という大学でクラシックサックスを専門的に学びました。
卒業後はヤマハの大人向けのポピュラーミュージックスクールで講師として仕事をし、現在は私個人の音楽教室でサックスの指導をしています。サックスをはじめてからかれこれ25年ほどです。
1.Cメジャーのスケールをどんな速さでも吹けるように練習する
✔まず曲の調性を判断する
まずこの曲の調性(何調なのか?ということ)についてなのですが、この曲はCメジャーの曲です。
どこで判断するかというと、
- 調号を確認する・・・#も♭もなにもついてない
- 曲の最後のコードを確認する・・・曲の終わりのコードがCで終わっている
この考え方で7割方、その曲が何調なのかは判断できます。
✔調性がわかったら、その調のスケールを鬼練習する
この曲は幸いなことに一番簡単なCメジャーなので最も慣れ親しんでいるスケールかと思います。
このCメジャースケールを練習します。
せっかく練習するのでこのような
全音域を網羅した形で練習するのが良いでしょう。
①まずは普通に練習。
せっかくなので、テンポもこの曲のテンポ♩=76で練習しましょう。
まずは普通に楽譜通りで練習します。
②次は16分音符で練習します。
いきなり難しいかもしれませんが16分音符の速さで練習しましょう。
高音域のサイドキーの部分が難しければ2オクターブだけでも構いません。
③最後に32分音符でもチャレンジします。
これはかなり難しいと思います。
最初はテンポを落として練習しましょう。正しいリズムで練習して、リズムが走ったりつまったりしないように気をつけましょう。
1オクターブだけでも結構です。
✔なぜこんな練習をするのか?
特にこのアレンジに顕著なのですが、そもそも曲というのはスケールが基になって構成されている箇所というものがたくさんありますので、スケールを練習することでそういった部分の練習が不要になってくるからです。
例えばこの↓部分は完全にCmajorのスケールですね。
この↓部分も一部跳躍がありますが、上って下りてという形です。
この↓部分も結構難しい箇所ではありますが部分部分で見てみるとスケールになっていますね。
という風にスケールを練習すると、曲の中で非常に役に立ちます。
ですが、こういった基本練習みたいなものっていうのは、どうしてもモチベーションが上がりませんね。
僕もそうです。あまり基本練習はやりたくないです。今でも嫌です。
でもスケールを練習することで練習の効率が確実に上がりますので、毎日ちょっとずつやるようにしています。
2.音の跳躍のトレーニングをする
先ほどの項目ではスケールを練習しました(音の順次進行)でしたが、今度は音の跳躍です。
実はこの曲は音が動くときに非常に大きな跳躍がある曲でもあります。
例えばこの↓部分。
グリッサンドでつながれていますが、1オクターブの跳躍です。
そして先ほども例にあげましたがこの↓部分
7度の跳躍です。
というようにこの曲は非常に大きな跳躍がある曲となっています。
この部分を演奏する際に気を付けたいのが、高音に跳んだ時に音程が不安定にならないようにすることです。
✔まずはチューナーを見ながら正しい音程を確認する
それでは先ほど例に上げた部分で結構ですので、チューナーで音程を確認しながら演奏してみてください。
おそらくチューナーの針が大きく動いてしまったのではないでしょうか?
人によって高音に跳んだ時に音程が高くなってしまう方、低くなってしまう方、色々だと思いますが、練習方法としては一度声に出して練習してみることです。
✔声に出して歌ってみよう
こうすることで、サックスで演奏するときの口の状態や喉の状態をイメージすることができます。
そしてサックスで演奏するときにも実際に声で歌っているような気持ちで吹いてみてください。
そうすると指だけを動かして跳躍を演奏してる時よりも音程が取れやすくなると思います。
3.ビブラートにチャレンジする
ビブラートの練習方法については過去の記事で解説していますのでそちらをご覧いただければと思います。
いそしぎ(The Shadow Of Your Smile)をアルトサックスで演奏する際のポイント(サブトーン、ビブラートetc.)
中級者くらいの方ですとビブラートに挑戦をし始めたという方も多いのではないかと思うのですが、まずはどんなに不格好な状態になっても構いませんのでとにかくビブラートを付けてみましょう。
✔ビブラートを習得していく過程
おそらくビブラートの習得していく過程として
- のばしている音にビブラートがかけられるようになる
- 比較的短い音にもビブラートをかけかれるようになる
- ビブラートのつけすぎで気持ち悪いと言われる
- ある程度コントロールしてビブラートを付けられるようになる
- ジャンル、曲のスタイルに応じてビブラートを付けられるようになる
という過程をたどるように思います。
ひとまずは3.の「ビブラートのつけすぎで気持ち悪いと言われる」の状態を目指してみましょう。
この状態はいわばビブラートを技術的に付けられるけど、ビブラートを付ける音楽的知識を持ち合わせていない状態です。
演奏が気持ち悪がられて正直萎えます。私もそういう時期がありました。
しかし、技術的にビブラートを入れられる状態にならなければ、どこでビブラートを入れて、どの部分は入れないでおくかという取捨選択もできるようにはなりませんので、まずは「ビブラートをとにかく付けてみる」という心意気でチャレンジしてみましょう。
ということで本日は以上となります。
なにかご質問などがありましたらYouTubeチャンネルかTwitterにどうぞ。お答えできる内容でしたらお答えいたしますし、こちらのブログの記事でのご回答ということになるかもしれません。
初心者の方でも楽器の持ち方から丁寧に指導させていただいております。
またネットからの申し込みの場合は入会金が通常1万円のところを半額の5000円にさせていただいております。
1回のみの受講も可能ですのでぜひレッスンにお越しください。
レッスンの詳細についてはこちら
演奏に使用しているセッティング
マウスピース
H.Selmer SUPER SESSION アルトサックス D
リガチャー
リード
楽器
Yanagisawa A992(もう製造されていない型番です。)
現行機種はこちら
ストラップ
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