先月からサックスを始めてみましたが、練習方法がわかりません!日々なにをどういう手順で練習すれば良いでしょうか?
あと、簡単な曲でもいいので早く吹けるようになりたいです!
今日は超初心者の方の練習ルーティーンとしてどのようなものをやっていけば良いかについて説明します。
本記事のテーマ
【サックス始めて2か月】超初心者にオススメの練習ルーティーン
✔本記事の対象の方
- サックスを始めてから2か月目~4か月目くらいの方
- 楽器の組み立て方、構え方、しまい方などは一通り理解している方
- いざ練習を始めようと思うが、なにからやったら良いのかわからない方
以上のような方向けの記事となっています。
✔サックス初心者が必ずやるべき日ごろの練習ルーティーン
- マウスピースとネックだけで音出し
- ロングトーン
- タンギングの練習
- 初心者向けの教則本を順番にクリアしていく
- 簡単な曲に取り組んでモチベーションアップ
以上の5つのステップです。
✔本記事の執筆者
私、長内(オサナイ)は中学生の時にサックスを始めて、その後愛知県立芸術大学という大学でクラシックサックスを専門的に学びました。
卒業後はヤマハの大人向けのポピュラーミュージックスクールで講師として仕事をし、現在は私個人の音楽教室でサックスの指導をしています。サックスをはじめてからかれこれ25年ほどです。
1.マウスピースとネックだけで音出し
✔まずもう一度確認してください。楽器の組み立て方、しまい方。
まずは楽器がきちんと組み立てられていないとちゃんと音が鳴りません。
そして楽器をしまうときのお手入れ方法も非常に重要です。
以前にこんな記事を書きましたのでこちらでもう一度確認してみてください。
✔マウスピースとネックだけで吹いた時になる音はラの♭です。
ここまで組み立てが終わったら、まずこれだけで吹いてみましょう。
マウスピースのくわえ方のおさらいですが、先端から1センチくらいのところに上の歯を置いて下の歯の上には唇をかぶせてください。
サックスはマウスピースとネックだけで吹いた時にもしっかり音が鳴るようになっていますが、この時になる音の高さでアンブシュア(マウスピースのくわえ方)が正しく出来ているかどうかの判断が出来ます。
このマウスピースとネックだけで吹いた時にはピアノで言うところのラ♭が鳴るようにしましょう。
✔音程の調節方法
サックスという楽器はピアノのように、ただ吹けば正しい音程が鳴るというものではありません。
簡単に説明するとマウスピースをどれくらいの強さでかむかによって音の高さが変わります。
- 強くかむと音程が高くなり
- 弱くかむと音程が低くなります
かむ力を調節してラの♭を目指してください。
✔音程はどうやって確認したらいい?
ふだん練習している場所にピアノが置いてあれば、それのラ♭の鍵盤を押して音の高さを確認してみましょう。
「そもそも、ピアノなんかさわったことないし、音を聞いても合ってるかどうかなんかわからないよ」
そんな方は、チューナーという機械で音の高さを確認すると良いです。
✔チューナーを準備しましょう
このチューナーという機械は
「鳴らしている音が今どの高さで鳴っているか」
を判別して示してくれるものです。
これを使って自分の鳴らしている音が正しい音程であるかどうかを判断します。
具体的な使い方をヤマハのチューナーで説明します。
✔YAMAHAのチューナーの使い方
①電源スイッチを入れる
まず左上の「TUNER ON」というスイッチを押してチューナーのスイッチを入れます。
②画面の左上の数字を440もしくは442に合わせる
おそらく最初からその数字になっているかと思いますが、もし違う数字になっている場合は「CALIB NOTE」というところを押して数字を調節してください。
③マウスピースとネックで音を出してみて画像のように表示されるか確認する。
ラ♭の音を目指して音を鳴らしていただきたいのですが、その時チューナーの
- ①G#が表示されているか
- ②針が真ん中に来ているか
の2点を確認してください。
この2点が出来ていれば正しくラの♭で吹けています。
2.ロングトーンの練習
それでは次に楽器本体にネックを差し込んで、楽器全体を使って練習をしていきます。
楽器をかまえてみたらストラップの高さを調節しましょう。
目安としては
「楽器を自分で持ち上げなくてもちょうど口のところにマウスピースが来る高さ」
にストラップを合わせてください。
自分から楽器の方に近づいて行って猫背にならないよう気を付けましょう。
✔ロングトーンとは?
かんたんに言ってしまえば、音をまっすぐのばす練習です。
初心者の方はまず音をまっすぐ安定して出すことすら難しい状況だと思いますので、まずは安定して音を鳴らせるように練習してみましょう。
練習パターンとしては最初は下記のように4拍のばして4拍お休みというパターンで練習をしてみてください。
速さは♩=60くらいのテンポが良いでしょう。
それで初心者の方はこの練習をする時に気をつけていただきたいのは
- 息をたくさん吸う
- 音がひっくり返らない程度にしっかりと息を入れる
- 大き目の音で吹く
という感じです。
実際には
- 「息の使い方」
- 「音色」
- 「音程」
とかをロングトーンでは気を付けて練習をしていただきたいところですが、まだ楽器をはじめて2か月くらいの方であればそんなことはとりあえず気にしなくて良いです。
とにかくまずはまっすぐ安定して音を鳴らせるようロングトーンを練習しましょう。
3.タンギングを練習する
初心者の方でレッスンに通われている方はもうタンギングは習いましたでしょうか?
独学の方はタンギングのやり方は勉強しましたか?
まだタンギングのやり方がわからないという方はまずこちらの記事を参考にしてみてください。
✔タンギングの練習パターン
タンギングを練習する際は、最初はゆっくりのリズムパターンで練習すると良いでしょう。
また音域も真ん中のドの音からはじめて徐々に低音域、高音域に広げていくと良いです。
音域が変わってくるとタンギングの感覚も変わっていきますので、徐々に音域も広げていきます。
4.初心者向けの教則本を順番にクリアしていく
3までの部分が一般的に言う基礎練習と呼ばれる部分です。言ってみればスポーツをやる前のストレッチや筋トレの部分です。
ここからは少し音楽的な内容です。
練習をすすめていくにあたって基本的な楽譜の読み方や奏法を学んでいく必要があります。
そのためには初心者向けの教則本を一冊準備しておくことをおすすめします。
私がレッスンでも使用しているのはこちらの本です。
✔サックス初心者にオススメの教則本
日本のクラシックサクソフォンのパイオニアである故 大室勇一氏が書いた「サクソフォーン教本」という本です。
この本の初版が1986年なので相当古い本ではあるのですが、現在出版されている教則本で、今のところこれ以上に初心者にとって使いやすい教則本は見当たらないかなというのが私の個人的意見です。
✔なぜこの教則本が良いのか?
この教則本は「似たような課題が何個も繰り返し登場する」という特徴があります。
なにか新しいことを習得する上で「同じことを何回もやらないとなかなか身につかない」という方が私も含めてですが、大多数を占めていると思います。
この教則本のようにくどいくらいに同じような課題をやらせてくる教材の方が実はレッスンでは使いやすいのでこの教材を採用しています。
なので、この教則本を最初から順番に攻略していけば、確実に技術が身につくという構成になっていますので、まずは順番にこなしていきましょう。
5.簡単な曲に取り組んでモチベーションアップ
✔初心者でもどんどん曲に取り組んでいこう
初心者のうちは曲はまったく演奏させず、ひたすら基礎練習だけをさせる指導者の方もいらっしゃるようですが、私は楽器を持ったその日から曲を練習したほうが良いと考えています。
その理由としては
- そもそも音楽を楽しむためにサックスをはじめたはず
- 基礎練習だけやっているとモチベーションが下がる
- 基礎練習だけでは楽譜を読む能力が身につかないので結果上達が遅くなる
というところです。
なので積極的に曲の練習に取り組みましょう。
私のレッスンでは楽譜が苦手でも音楽を楽しんでいただけるようこちらの曲集で練習していただいています。
✔初心者の方にオススメのサックスの曲集
こちらの曲集は
「楽譜が苦手」
という方でも音楽を楽しんでいただけるよう、全ての音にドレミがふってあります。
なので、
- 先ほどの「サクソフォーン教本」で楽譜の読み方をしっかり学んでいただいて
- こちらでは楽譜にとらわれず音楽を楽しむ
という使い方もできるのでこの2冊をレッスンでは使用しています。
✔こんな感じの曲が収録されています。
昨日のYouTubeではこのなかから初心者の方にオススメの「オーラ・リー」という曲を演奏してみました。
この曲集ではこれくらいのレベルのものから、比較的中級者向けのものまで約80曲収録されていますので、たくさんの曲を楽しみながらサックスの演奏技術を学んでいくことができます。
ということで本日は以上となります。
日々の練習の流れはご理解いただけましたでしょうか?
なにかご質問などがありましたらYouTubeチャンネルかTwitterにどうぞ。
お答えできる内容でしたらお答えいたしますし、こちらのブログの記事でのご回答ということになるかもしれません。
初心者の方でも楽器の持ち方から丁寧に指導させていただいております。
またネットからの申し込みの場合は入会金が通常1万円のところを半額の5000円にさせていただいております。
1回のみの受講も可能ですのでぜひレッスンにお越しください。
レッスンの詳細についてはこちら
演奏に使用しているセッティング
マウスピース
H.Selmer SUPER SESSION アルトサックス D
リガチャー
リード
楽器
Yanagisawa A992(もう製造されていない型番です。)
現行機種はこちら
ストラップ
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