本日からこちらの「サクソフォーン教本」の流れに沿ってブログ上で模擬レッスンという形で実際のレッスンの内容を公開していきたいと思います。
現在レッスンに通われている方は、自主練習のときの復習のための教材として、すでにもう練習が進んでいる方にとってはあらためて基本が確認できる内容となればと思っております。
この記事の対象の方
- サックスにまだ触ったこともない。
- レッスンもまだ受けたことがない
- 楽器は購入済み、もしくはレンタルをする
- 楽器の組み立て方、しまい方から教えてほしいという方
初回レッスンの内容
- 楽器の組み立て方
- マウスピースとネックのみで音出し(マウスピースのくわえ方)
- 楽器の構え方
- ソ・ラ・シの音の指使い・音出し
- 楽器のしまい方
この記事の執筆者
私、長内(オサナイ)は中学生の時にサックスを始めて、その後愛知県立芸術大学という大学でクラシックサックスを専門的に学びました。
卒業後はヤマハの大人向けのポピュラーミュージックスクールで講師として仕事をし、現在は私個人の音楽教室でサックスの指導をしています。サックスをはじめてからかれこれ25年ほどです。
楽器の組み立て方
楽器の組み立て方に関しては以前詳細にわたり記事にしましたので、そちらの記事をご覧いただきたいのですが、今回も簡単に説明していきます。
コルクグリスを塗る
コルクグリスをまず薄く塗っていきます。
この作業は毎回やりましょう。
特に楽器が新しくコルクがまだ固い場合は特にしっかりと行いましょう。
マウスピースの差し込み方
マウスピースを差し込むときはねじりながら入れるとスムーズに入ります。
楽器のメーカーやマウスピースによっても異なりますが、コルクが1センチほど余る位置まで差し込みます。
リードの取り付け
次にリードを取り付けます。
ここで注意したいのは
- 先にリガチャーを取り付ける
- リードの先端をマウスピースの髪の毛1本分内側に合わせる
- リードの先端に触れて破損させない
です。
この取り付け方によって吹きやすさが変わってきますので慎重に行いましょう。
マウスピースとネックのみで音出し
アンブシュア(くわえ方)
次にマウスピースとネックのみで音を出していきます。
マウスピースをくわえるときの唇の形、口の周りの筋肉の状態、口の中の舌や歯の状態を総称して「アンブシュア」と言います。
アンブシュアについての基本としましては
- マウスピースの先端から1センチくらいのところに上の歯を置く
- 下の歯の上に唇をかぶせる
- 口角を少し横に引く(軽く笑顔を作るつもりで)
以上3点にまずは気をつけてください。
また、ネックを持つときは、写真のようにネックの下の部分か、マウスピースの根本の部分を持って、ネックと本体の連結部のパッドが動かないように気をつけましょう。
息の使い方
それでは実際に音を鳴らしてみましょう。
ひとまずはなにも考えずに思いっきり息を入れてみてください。
おそらく鳴らないと思います。
大体の方がそうなのですが、サックスを初めて吹くときにリコーダーを吹くくらいの息のスピードでそーっと息を入れてしまう方が多いのですがそれではなりません。
かなり強いスピード感のある息を出さないとサックスは音が鳴りません。
イメージとしては
- 風船を膨らませる時くらいの息
- 3メートル先のろうそくを吹き消すつもりの息
- 健康診断で思いっきり息を出すときくらいの勢いのある息
これくらいの自分の中でマックスに近いくらいの息の使い方を想像してみてください
。
特に女性の方は息の勢いがない方が多いと思いますので思いっきり息を出してください。
そして、今の段階で、1点だけ気をつけていただきたいのですが、それは
「息を吸うときに肩を上げない」
ということです。
腹式呼吸、胸式呼吸などいろいろな呼吸法はありますが、ひとまず今日は「肩を上げずに」息を吸ってみましょう。
4拍吹いて4拍お休みのパターンで音をのばしてみよう
安定して吹けるようになってきたら、次は4拍のばして4拍お休みのパターンで吹いてみましょう。
メトロノームを♩=72のテンポに設定して、実際にやってみましょう。
この時に気をつけていただきたいのは
- なるべくまっすぐ音をのばす
- ピアノのラ♭の高さに音の高さを合わせる
ことです。
ラ♭の音の高さになっているかどうかについて確認する方法については↓こちらの記事で説明していますので参考にしてみてください。
楽器の構え方
その前にまずは本体にネックを差し込みます。
本体にネックを差し込みますが、詳細は以前書いた記事をお読みください。
ここでも簡単に説明させていただくと、ネックの出っ張りのある部分と楽器本体の透明のゴムの付いている部分が一直線に並ぶ位置に合わせてください。
ストラップの位置を合わせます。
次にストラップを首からかけてください。
そしてまずストラップを上にあげます。
ストラップによってどれくらい上げるかは異なりますのでなんとも言えないところですが、スタンダードなこのようなストラップでしたらこれくらい上まで上げてしまいます。
実際には楽器を構えてみて微調整を行います。
ストラップを楽器に引っ掛けます
次にストラップを楽器にかけます。画像の赤丸が付いている部分です。
ストラップを必ず首にかけてから楽器に引っ掛けてください。
持ち上げたら実際に楽器を構えていきます。
右手の親指を黒いフックの下に、左手の親指を黒い丸い部分に
それでは実際に楽器を構えてみましょう。
まず、
- 右手の親指をYAMAHAの楽器であれば黒いフックの下へ
- 左手の親指を黒い丸いところの上に置きます。
ストラップの高さを合わせます。
次にストラップの高さを合わせますが、その時のポイントが
- 姿勢を正す
- 猫背になって自分から楽器の方に近づくのではなく、楽器を自分に近づける
- 右手の親指で楽器を持ち上げなくても自然と口のところにマウスピースが来る位置にストラップを合わせる
です。
実際に鏡を見て自分の姿勢を確認しながらストラップの位置を決めてください。
ソ・ラ・シの音出し
サクソフォーン教本のp.18を開いてください
それでは実際にテキストとして使用する「サクソフォーン教本」を見ながら楽器を吹いていきましょう。
最初はp.18のLesson1を開いてください。
ちなみにこのページより前の部分にも非常に重要なことが載っていますのでぜひ読んでおいてください。
それでは最初にシの音を吹きます。
シの音の指使い
それではまずシの音を鳴らしてみましょう。
シの音は画像のように左手の人差し指で一番上の白いキーを押さえます。
キーを押さえる時は、指の先の指の腹の部分で軽く押さえてください。
指使いがわかりましたら、テキストの1番のエクササイズをやってみましょう。
先ほどマウスピースとネックで音出しをしたときと同様に4拍吹いて4拍お休みのパターンです。
テンポは♩=72設定します。
このテキストでは基本的に♩=72のテンポで練習をしていきます。
実際に吹いてみるとこのような感じです。
ちなみにこの動画では座って吹いていますが、座って吹くときは二種類の構え方があります。
- 正面で構える
- 楽器を右側に持ってきて構える
です。
このように正面ので構える場合は足を開いて構えます。
次の動画で出てくるように体の右側で構える場合は足を閉じます。
そして、マウスピースの角度を口にまっすぐあたるように少し傾けて構えてみてください。
ラの音、ソの音
シの音が安定して鳴らせるようになったら、次はラの音、ソの音にもチャレンジしてみましょう。
【ラの指使い】
ラの指づかいは、写真のように一つ小さなキーをとばして人さし指と中指の二つの指で2つのキーを押さえます。
写真ではわかりやすくするために薬指を引っ込めてありますが、薬指も常にキーの上に置いておくようにしてください。
【ソの指使い】
ソの指使いはこのように今までの指使いに薬指を足します。
指に力が入らないように気をつけてください。
それでは次にラの音とソの音を使ったエクササイズ2と3を吹いてみましょう。
この動画の前半ではエクササイズ2、後半では3を演奏しています。
ここまでで初回のレッスンで音を出す練習は終わりです。
お疲れさまでした。
最後に楽器の片づけ方をやって初回レッスンは終わりです。
楽器の片づけ方
楽器の片づけ方につきましては以前にブログ記事で詳細にわたりご説明させていただいておりますので、詳しくはそちらをご覧いただければと思います。
この記事では簡単にクリーニングスワブというもので管内を掃除するということだけお伝えして終わりにしておきます。
クリーニングスワブ
このクリーニングスワブというひもの付いた布をサックスの管内に通し水分を拭き取ります。
楽器の中で布がつまりやすいので注意しながら行ってください。
この掃除は楽器をしまうときには必ず行うようにしてください。
以上が初回レッスンの内容です。
初回レッスンで特に重要なのは楽器の組み立て方としまい方ですので、下記の記事でもう一度おさらいをしておくと次回以降のレッスンで楽器を吹く時間が増えて次に進むのが早くなりますよ。ぜひおさらいしておいてください。
初心者の方でも楽器の持ち方から丁寧に指導させていただいております。
またネットからの申し込みの場合は入会金が通常1万円のところを半額の5000円にさせていただいております。
1回のみの受講も可能ですのでぜひレッスンにお越しください。
レッスンの詳細についてはこちら
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