こんにちは。
初心者のためのサックスレッスンの第3回、今回はタンギングについてです。
「サクソフォーン教本」ではp.21のLesson2の内容です。
いままで音を出す時はとくに舌を使うことなく演奏してきましたので
- 息を入れる
- 指を動かす
この2つの作業だけだったと思います。
今回のレッスンでは初めて舌をリードに触れさせる「タンギング」という技術について練習していきます。
初心者の方はこの「タンギング」でつまづく方が多いので繰り返し練習して、しっかりとマスターしましょう。
使用教材
楽譜の苦手な方でも基礎から確実にじっくりとサックスの演奏方法を学んでいける本です。
私のレッスンでは、初心者の方には必ずこの本を使って指導させていただいています。
この記事の対象の方
- サックスの組み立て方、構え方、しまい方は教わった
- ソラシドの4つの音を練習した
- 「サクソフォーン教本」を購入済み
第3回目のレッスンの内容
- 第1回のレッスンの内容のおさらい
- ソラシドの音で4拍、6拍、8拍のロングトーン
- マウスピースとネックのみでタンギングの練習
- まずは「トゥートゥー」と声に出してみよう
- マウスピースをくわえながら「トゥ」と発音する
- まだ音は出さず、息を通してタンギングをしてみる
- 息のスピードを速めて、実際に音を出してタンギングをしてみる
- メトロノームを鳴らして譜例Bのパターンで練習をする
- ソラシドの音でタンギングの練習
この記事の執筆者
私、長内(オサナイ)は中学生の時にサックスを始めて、その後愛知県立芸術大学という大学でクラシックサックスを専門的に学びました。
卒業後はヤマハの大人向けのポピュラーミュージックスクールで講師として仕事をし、現在は私個人の音楽教室でサックスの指導をしています。
サックスの演奏歴は約25年です。
1.第1回のレッスンの内容のおさらい
最初のうちは必ず初回レッスンの内容を何度も復習
今回のレッスンに入る前にまず第1回目に学習した内容をおさらいしましょう。
初心者のためのサックスレッスン 第1回 楽器の組み立て~音出し
第1回目の
・楽器の組み立て方
・アンブシュア・構え方
・楽器のしまい方
この3つの内容を最初の間は必ず確認してください。
ここが間違っていると、どんなに練習しても上手になれません。
2.ソラシドの音で4拍、6拍、8拍のロングトーン
✔ロングトーンとは
次にロングトーンをします。
ロングトーンというのは音をまっすぐ伸ばす練習のことです。
ロングトーンでは
- 音の安定性
- 息の使い方
- 音程の正確性
・・・など色々なことを気をつけながら練習することで音色や奏法を向上させていく練習です。
単純ですが大変奥の深い練習です。
ですが、最初のうちは細かいことはあまり気にしなくて結構ですので
- 大き目の音で
- まっすぐのばす
この2点を気をつけながら練習してみてください。
✔4拍のロングトーン
まずは4拍音をのばして4拍お休みというロングトーンをしてみましょう。テンポは♩=72です。
これはテキストのLesson1でもやった内容です。
✔6拍のロングトーン
次に6拍のばす練習も行います。
上記のようなパターンで行いましょう。
✔8拍のロングトーン
最後に8拍のばす練習も行います。
この8拍のロングトーンは最初は♩=92ではじめます。
そして徐々に遅くして最終的には♩=72でのばせるように練習してみましょう。
これも間の4拍のお休みで、呼吸を整えましょう。
次のタンギングの練習の前に8拍のロングトーンをできるようになっておくとスムーズに練習できると思います。
タンギングでは舌の動きはもちろんのこと、音をしっかりとのばせる息の使い方も重要になってきますので、この段階で8拍のロングトーンを必ず出来るようになっておきましょう。
✔タイ
ここで新しい記号が出てきています。
曲線が二つの音をつないでいるかと思いますが、この記号は「タイ」と言います。
タイは
- 同じ高さの音を一つずつ結ぶ
- タイのついた2つの音をつなげる(切れ目なしに演奏する)
というものです。
なので上記の譜例では
4拍+4拍=8拍
ということになります。
3.マウスピースとネックのみでタンギングの練習
✔タンギングとは
それでは本日の本題のタンギングの練習を進めていきたいと思います。
まずはタンギングとはなんなのかということを説明したいと思います。
「サクソフォーン教本」には
「舌をリードに触れさせることにより息の流れをせき止める」管楽器特有の演奏技術
と書かれています。
イメージとしては口で「トゥ」と発音した時(もしくは「タ」でも結構です)に、下の先が口内の上側に一瞬ふれてすぐに離れると思います。
この動きとタンギングの動き方はほぼ同じです。
サックスを演奏するときは口内の上側には当たらず、舌がリードに当たります。
つまり
「舌の先周辺の部分がリードに一瞬だけ触れてすぐに舌が離れる動き」
をタンギングといいます。
それでは次の5ステップでタンギングの感覚をつかむ練習をしていきます。
1.まずはトゥートゥーと声に出してみよう。
それではタンギングの感覚をつかむためにまずはマウスピースをくわえずに「トゥートゥー」と発音してみてください。
この時に舌の先端ではなく下の先周辺が口内の上側の部分に当たっていることを確認してみてください。
タンギングの際の舌の状態としてテキストのp.22では二つの図が載っていて
- 下の先端を下歯の裏側に置き、舌がリードの先端に当たる部分でタンギングをする
- 下の先端をリードの先端に当てる
という2つのパターンが掲載されていますが、私自身はどちらのパターンでもない感じがします。
舌の長さは個人差がありますので、最終的な感覚は各々でつかんでいただきたいのですが、タンギングは「トゥ」や「タ」と言う発音と同じ舌の動きをすることで音の区切りをつける方法ですので、その舌の動きを観察するといいと思います。
2.マウスピースをくわえながら「トゥ」と発音する
それでは次にマウスピースをくわえながら「トゥ」と発音してみましょう。
しっかりとアンブシュアを作った上で「トゥ」と言ってみてください。
以下の動画を見ていただくとよりわかりやすいでしょう。
この時に今度は口の中にマウスピースとリードがありますので、「トゥ」と発音した時に舌がリードに当たると思います。
この時の状態がまさにタンギングが上手に出来ている時と同じ状態です。
タンギングの方法がわからなくなったらこの項目に戻って確認してみてください。
3.まだ音は出さず、息だけを通してタンギングをしてみる
今度は声も音も出さず、息だけを通してタンギングをしてみましょう。
この段階ではまだ息圧が弱い段階ですのでタンギングもしやすいと思います。
上記の動画も参照してどのように練習するか確認してみてください。
4.息のスピードを速めて、実際に音を出してタンギングをしてみる。
最後に先ほどの状態から徐々に息の圧力を強めて実際に音を出しながらタンギングをしてみましょう。
この時にお腹に圧力を加えながら息を出さないとタンギングが上手くいきません。
このことについては以前に記事にしましたのでそちらもご参照いただければと思います。
タンギングは舌だけの問題じゃないよ。呼吸と舌の動きの関係。
5.メトロノームを鳴らして譜例Bのパターンで練習をする
それでは最後にメトロノームも使いタイミングを合わせながらタンギングをしてみます。
p.21の譜例Bのパターンで練習をしてみましょう。
ここではシの音で練習するということになっていますが、マウスピースとネックの部分だけで練習をしても良いと思います。
4.ソラシドの音でタンギングの練習
✔p.22 練習曲1~4のパターンでタンギングを練習
それでは最後に練習曲1~4のパターンでタンギングの練習をしてみましょう。
まだ8拍のばすことが難しい人は全音符の小節に入る手前で息継ぎをしましょう。
ただしすべての音の前で息継ぎをしてしまうとタンギングの練習になりませんので、最低でも1小節は必ず音を持続させましょう。
以上で第3回目のレッスンは終了です。
お疲れさまでした。
今回行ったタンギングは継続して練習を続け徐々に早いテンポも練習できるようにしていきます。
サックスの演奏においてタンギングは必須の技術ですので必ずマスターしましょう。
初心者の方でも楽器の持ち方から丁寧に指導させていただいております。
またネットからの申し込みの場合は入会金が通常1万円のところを半額の5000円にさせていただいております。
1回のみの受講も可能ですのでぜひレッスンにお越しください。
レッスンの詳細についてはこちら