こんにちは。長内です。
今回は新しくシ♭の指づかいを学習します。
実はシ♭の指づかいは複数あるのですが、今回に関してはテキストに掲載されているものではないものを、まず先にお教えします。
テキストのLesson4で学習する指づかいに関してはLesson8で学習していただくこととさせていただきますので、ちょっと順序が逆になりますがしっかりマスターしていただければと思います。
使用教材
楽譜の苦手な方でも基礎から確実にじっくりとサックスの演奏方法を学んでいける本です。
私のレッスンでは、初心者の方には必ずこの本を使って指導させていただいています。
この記事の対象の方
- 「サクソフォーン教本」を購入済み
- ドシラソファミの指づかいがわかっている(テキストLesson3まで終了)
- シ♭の指づかいはまだわからない
- シ♭のBisキーでの押さえ方を知らない
- 臨時記号・調号の意味がわからない
第7回目のレッスンの内容
- 基礎練習(ロングトーン・タンギング)
- 臨時記号について
- シ♭(Bisキー)の指づかい(練習曲1)
- 調号について(練習曲2・3)
この記事の執筆者
私、長内(オサナイ)は中学生の時にサックスを始めて、その後愛知県立芸術大学という大学でクラシックサックスを専門的に学びました。
卒業後はヤマハの大人向けのポピュラーミュージックスクールで講師として仕事をし、現在は私個人の音楽教室でサックスの指導をしています。
サックスの演奏歴は約25年です。
1.基礎練習(ロングトーン・タンギング)
まず、最初に基礎練習を行います。
前回「ミ」の音まで学習しましたので、その音までの音域で練習をしましょう。
✔ロングトーン
さて、そろそろ低音域でも長くのばせるようになってきましたでしょうか?
なかなか最初は難しいと思いますが、♩=72のテンポでファ・ミの音を6拍はのばせるように練習しましょう。
そして、そろそろ変な癖がついてしまうころだと思いますので、もう一度マウスピースとネックでラ♭の高さの音が出ているか確認しておきましょう。
マウスピースとネックでの音出しは、毎回楽器を組み立てる途中で軽く行うような感じで、毎回少しの時間でいいので必ず行ってください。
✔タンギング
今日はタンギングでも長くのばす練習をしてみましょう。
以下のようなパターンで練習をしてみてください。
ここでは8拍の間息継ぎをせず吹いてみてください。
まだ、ファの音、ミの音では8拍のばすのが難しいという方は、1小節ずつ息継ぎをしてください。
2.臨時記号について
✔♭(フラット)とは
ここで楽譜に新しい記号が出てきています。
この♭という記号は「フラット」と言います。
この記号は「半音下げる」という意味です。
半音下げるという言葉だけではいまいちイメージがつかないという方はピアノの鍵盤を見てください。
このように、シの音はピアノの白い鍵盤の音。
シ♭は左斜め上の黒い鍵盤の音です。
というように♭という記号はピアノで言うと一つ左側に移動することを意味します。
✔臨時記号とは
ここでもう一度、練習曲1の冒頭の部分を見ていただきたいのですが、
このように音符の左側にフラットが付いています。
これを特に「臨時記号」といいます。
これは「この音だけ♭にしてください。」という意味です。
まさに「臨時」です。
✔臨時記号は1小節間有効
ところで臨時記号には有効範囲があります。
この練習曲の3小節目
この二個目のシの音ですが、この音も♭になります。
臨時記号は1小節間はずっと効力を発揮しますので、二つ目のシの音は♭がついていなくてもシ♭になります。
このことは忘れがちですので注意してみてください。
3.シ♭の指づかい
✔Bisキー
ここでテキストとは違う指づかいを先にお伝えしたいと思います。
テキストに掲載されている指づかいはLesson8でお教えします。
今回使用するキーは「Bisキー」と呼ばれています。
ただし、呼び方は他にも色々あると思いますので、ここではこの呼び方で今後統一していきます。
以下の画像をご覧ください。
このように人差し指(シ)と中指(ラ)のキーの間にある小さ目なキーがBisキーです。
シの♭ではこのキーを使います。
そしてこのキーの押さえ方ですが、少し特殊で、人差し指でシのキーと同時に押さえます。
押さえ方はシのキーとBisキーの間を押さえるような感じです。
けして指や手首を縦向きにして二つのキーを無理やり同時に押さえるようにはしないでください。(次の画像)
あくまでシのキーを押さえる時と同じような感じで押さえるのがポイントです。
✔Bisキーの特殊性
このBisキーは特殊なキーでして、このキーを押さえっぱなしで他の指づかいをしても他の音に影響を与えません。
つまり、Bisキーを押さえながらラの指やソの指など下の音域の指使いに変えてもなんら影響しません。
なので、あらかじめシの音が♭になるとわかっている場合は最初からBisキーを押さえておけば自動的に♭になってくれますので大変便利です。
つまり練習曲1では最初のラの音の時点でBisキーを押さえておきます。
指づかいとしてはこのようになります。
わざわざ滑らせてBisキーを押さえる必要はありません。
✔練習曲1
それでは練習曲の1をやってみましょう。
気を付けてほしい点をまとめると
- 最初のラの音からBisキーを押さえておく
- 3小節目の二つ目のシの音も♭
- 二段目はクロスフィンガリング。指を上に上げすぎないように
以上3点です。
2段目が難しいと感じる方は、先に音を出さずに指だけで練習すると良いでしょう。
楽器をのぞき込んで確認したり、鏡で見ながら練習して、Bisキーがきちんと押さえられているか確認しながら練習をしてください。
4.調号について
✔調号とは
練習曲2番ではト音記号のとなりに♭がついています。
このようにト音記号の隣についている♭や#のことを調号といいます。
練習曲2の場合ですと♭はシの音についています。
これの意味するところは「出てくるシの音はすべて♭をつける」ということです。
つまり、1小節目のシの音は何も付いていませんが♭をつけて演奏してください。
✔調号でシに♭が付いている時はBisキーが役に立つ
ここで、テキストではLesson8で学習するはずのBisキーをなぜ先にお教えしたか説明させていただきます。
- 調号は付く順番が決まっていて♭系は必ず最初にシの音に付く(シ→ミ→ラ→レ・・・という順番で増えていく)
- つまり♭系の調号ではBisキーを押さえっぱなしにしておけば自動的にシは♭になってくれる
- 基本的にシ♭はBisキーで押さえるようにした方が効率が良い
以上3点の理由からです。
ただしBisキーの扱いは若干難しいので、テキストではサイド・キイを使用する指づかいを最初に提示しているものと思われます。
しかし、特に練習曲2や3のように調号としてシに♭がついている場合は明らかにBisキーの方がやりやすいと思いますので、こちらをしっかりとマスターしていきましょう。
✔練習曲2・3
それでは練習曲2と3を演奏してみましょう。
ここで注意していただきたい点は以下の通りです。
- Bisキーを最初から押しておく
- スラ―が切れている場所ではタンギングを行う
- クロスフィンガリングの時は指を上に上げすぎない(Bisキーに戻れなくなるため)
2.と3.の項目は過去にやった内容ではありますので、わからない方は第5回と第6回の内容を復習してみてください。
以上で第7回目のレッスンは終了です。
お疲れさまでした。
段々と難しくなってきたかもしれませんが、その分テキストの進み方はゆっくりにしてあります。本日は1ページのみを解説させていただきました。
半音の指づかいはつまづきやすいポイントでありますので、じっくりと練習しておきましょう。
初心者の方でも楽器の持ち方から丁寧に指導させていただいております。
またネットからの申し込みの場合は入会金が通常1万円のところを半額の5000円にさせていただいております。
1回のみの受講も可能ですのでぜひレッスンにお越しください。
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